映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」エピソード3:「家族の力」

映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は一つの映画とはいえ、織り込まれたエピソードが素晴らしいので、数回に分けてそのエピソードをご紹介しています。

今回のテーマは「家族の力」です。

ベンジャミンは第一次大戦の戦勝記念日に産まれますが、母親は夫に「あの子を頼みます」と言って産褥で亡くなります。
しかし、ベンジャミンの父親は老人のような醜いベンジャミンを一目見て、ベンジャミンを抱えて飛び出し、12ドルを添えて養老院の階段に捨てたのです。

その後、ボタン製造で成功した父親はベンジャミンに接近し、許しを請いますが、当然のことながら、彼は簡単には許せませんでした。

しかし、父の最期が迫っていることを感じたベンジャミンは、突然早朝に父を車で連れ出し、海辺の父の別荘に連れて行き、屋外のベンチに座らせて上る朝陽をともに眺めます。

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ベンジャミンの父はその朝陽をぼんやりと眺めながら、緩い笑顔でいつお迎えが来てもよいと言ったのです。

Happy Ending !

ベンジャミンの父親は最期に息子と家族になったと感じたのでしょう。
親子の和解です。
そして、ベンジャミンは父の工場で作ったボタンを瓶に詰めて、棺に入れます。ベンジャミンの父は一人息子のベンジャミンに見送られながらボタンともに葬られます。

ベンジャミン自身は、実の娘キャロラインに向かって自分が父親だとは言えませんでした。「ベンジャミン・バトン 数奇な人生 エピソード2 日記(自分史)の力」
親子は近いようで、ずいぶん遠い存在であるようです。
その間合いは最期だけには詰め切れません。

そして、私が思ったのは、私の棺には何が一緒に葬られるのだろうかということです。
今、それを考えています。

齋藤真衡

Happy Ending カード No.A-7 家族関係の見直し

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