映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」エピソード4:バケットリストの力

映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は一つの映画とはいえ、織り込まれたエピソードが素晴らしいので、数回に分けてそのエピソードをご紹介しています。

今回のテーマは「バケットリストの力」です。

ベンジャミンはマイク船長のタグボートに乗って、凍てつくロシアに向かいます。
そのホテルで出会ったのがエリザベス(ティルダ・スウィントン)。英国の情報部員の妻としてロシアに来ていました。それが、夜中の食堂での出会いをきっかけに、毎夜ホテルのカフェで付き合う仲になります。

ある夜、ドレスアップしたエリザベスは、キャビアを用意して、キャビアとともにウオッカをベンジャミンに飲ませながら語ります。
19歳の時に女性として史上最年少でドーバー海峡を横断しようとした時の話を….
しかし、その時彼女は夕闇の雨の中、フランスのカレーを間近に見ながら、力尽きて横断を断念してしまいました…
その際、報道陣に向かって再度試みると断言したのですが、その言葉に違い、今は何もしていないと…
その後、彼女は夫ともに挨拶もなく姿を消してしまいます。

彼女のことを忘れた頃、デイジーとレストランで食事をしていたベンジャミンはそこのテレビのニュースに目を奪われます。
68歳の女性が史上最高齢でドーバー海峡横断を果たしたことを讃えていたのです。しかも、その68歳の女性は、あのエリザベスだったのです。

彼女はインタビューにこう応えます。「やろうと思えば何でもできる!」
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思わずニッコリするベンジャミン
19歳の失敗を49年後の68歳でやり遂げたのです。最年少で実現しようとした記録を最高齢で実現しました。

Bucket List(バケットリスト)
2007年に公開された映画「Bucket List」(邦題 最高の人生の見つけ方)に因んだ言い方のようです。死ぬまでにやりたいことを書き記すリストです。
おそらく、エリザベスのバケットリストにはドーバー海峡横断が記されていたのでしょう。

残された時間がいくらでもあるのであればいざ知らず、そうでなければ、ある程度したいことの範囲を定めた方がよいかもしれません。
もっとも、時間があっても目標がなければ同じことです。
さらには、時間があるかないかは、後になってみなければわからないのです。

齋藤真衡

<Happy Ending カード No.A-5 バケットリスト>
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