ラストシーンをどこで撮影するのか?「死に方」格差社会を読む

Happy Endingの実現にはラストシーンの舞台設定は大きな要素だと言えます。
ラストシーンの舞台とは、単に死ぬ場所ということではなく、お世話になった絆に対して、この世において別れを告げる場所と考えた方がよいと思います。
ですから、別れの挨拶をする状況設定なのです。

人生の脚本は自分が書いてもその通りになるかどうかはわかりません。
人生の脚本家は多数であり、気まぐれだからです。
しかし、確からしさを高めるために、自分なりに満足できる最期の舞台を考えておくのはそれなりに意味があると言えるでしょう。

死に方に格差はあると思いますが、それは貧富の差ではありません。
私はそれを「想いの格差」と言いたいと思います。
先祖、家族、知人などの絆の一点として生きて来た自分を思えば。絆を壊すような半端なことはできないのです。
富家孝先生は「「死に方」格差社会」にてピンピンコロリの難しさを認めた上で、いくつもの示唆を与えてくれます。

 

自分の最期を想像してみましょう。
死亡原因を見てみると、病気でもケガでもなく寿命を全うすると言える「老衰」でなくなる割合は、男性で2.10%、女性は6.29%、全平均で4.8%に過ぎません。(厚生労働省:都道府県別生命表の概況)
大半の人は、何らかの病気を直接の死因としてなくなっているのです。

すると、最期を迎える可能性のある場所は、①病院の一般病床→療養病床、②介護付き老人ホーム、特別養護老人ホームなどの介護施設、そして、③自宅の3カ所です。

自宅ならどの部屋でしょうか。医療施設、介護施設ならどこの施設でどのような環境(個室、6人部屋、その他)の下において息を引き取りたいのでしょうか。

データを見てみると、自宅で最期を迎える日本人は非常に少ないと言えます。この50年間において自宅で最期を迎える人はどんどん減少し、直近ではわずか12%程度に過ぎなくなってしまいました。

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在宅死の少なさは国際比較しても抜きんでています。

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しかし、自宅における最期を希望する人は少なくありません。

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国は団塊世代が大量に介護施設に入所する2025年。大量に死亡する2035年に対する備えとして、「地域包括ケアシステム」を打ち出し、在宅医療・介護に大きく舵を切っています。

一方、自宅で最期を迎える場合には家族にそれなりの負担がかかります。
人生から出て行く際にもそれなりの気遣いがあった方が、「その後」のお付き合いもスムーズになりそうです。

あなたは、最期の舞台をどのように考えますか?

 

<Happy Ending カード No.C-3 死に場所>

容易ではありませんが、自分の人生のラストシーンを自分にふさわしい場所で迎えたいものです。

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