ススキの穂が出てきました。
ツンと直立して見習いたいような姿勢です。
やがて穂が重くなり、首を傾げる時もありますが、穂先が飛んでしまうと、ススキは再び天に向かって背を伸ばすのです。
まさに「繁茂」と言う言葉がふさわしいススキの波…
人間の手を借りずに自立して持続的に「繁茂」しています。
人は皆幸福を求めて生きていると言われています。
多くの財産があったとしても必ずしも幸せになるとは限りません。また、富だけで幸せになれると思っている人は少ないと思います。
一方、どうすれば幸せになれるのかを理解している人も多くはありません。
ですから、予めどうすれば自分が幸せだと思えるのか理解していれば、後に、こんなはずじゃなかったと…後悔しなくても済むはずです。
幸福論は街の書店に溢れているのですが……
マーティン・セリグマンのFlourish(繁茂:持続的幸福)はその一つの解かもしれません。全米心理学協会の会長だったセリグマンはポジティブ心理学の権威です。
彼は、従来の幸福論を次の点で批判しています。
①幸福判定の尺度のほとんどが、判定時における感情をその瞬間だけの気分で測定している結果、変動幅が大きい。
②陽気でなくとも充実して有意義な人生を評価していない。
そこで、彼は、Flourish(持続的幸福)を享受する能力は後天的に修得できるとして、幸福に変わる構成概念としてのFlourishとその5つの要素を提示したのです。それはイニシャルをとってPERMAと言われます。
P Positive Emotion(ポジティブ感情) :現在の快
E Engagement(フロー感情) :回想の快
R Relationship(関係性) :他者との関係性
M Meanings(意味・意義) :他の大きなもののために行動する
A Achievement(達成) :結果
(詳細については、彼の著書を読んでください。)
Flourish はまさに「繁茂」という日本語がふさわしいと思います。
違う色の花が咲いたり、地域が広がったり、期間が長くなるわけではないのですが、毎年同じように「繁茂」し続け、しかもそれが美しい。
問題は刹那的なのか持続的なのかの違いです。
ゴルフクラブ、クルマや洋服をグレードアップしても、すぐにその状態に慣れてしまいます。よって、その満足感は刹那的であり、さらに良いモノが欲しくなり、幸福の踏み車を永遠に回し続けることになるのです。
セリグマンは、Flourishの5つの要素を充足することによって、持続的な幸福を享受することができると主張します。それが、様々な実験によるデータで検証されているのです。
5つの要素を意識して取り組んでみましょう。
私は持続的な幸福を個体だけで捉えるのではなく、さらに、種(gene & meme)のバトンタッチを含めて考えたいと思います。
個体はゴールに達して止まりますが、ゴールの前にバトンを次の走者に渡します。そのように考えると、個体の意思は死を終点ではなく、通過点として個体の意思はそれ以降に通じるのです。
そう考えると、Flourish(繁茂)は群全体に対する表現、Happy Endingは個体に対する持続的幸福を指すと考えることができます。個体がHappy Endingを迎えることができるようであるならば、群はFlourish(繁茂)するはずです。
Happy Ending を迎えるための具体論としてポジティブ心理学は新しい境地を開いてくれているように思えます。
<Happy Ending カード NO.A3>「私は今、とても幸せだ。」